皮膚用語辞典 ・ 皮膚に見られる形状
擦過傷
併用される言葉 ・ 掻いた傷 ・ 掻き傷
皮膚科の診療において「擦過傷(さっかしょう)」とは、かゆみで掻いた後にできた線状の傷のことを指します。もともとあった病変と、掻いたことで生じた変化を区別するための手がかりとなります。
韓医師 最然承(チェ・ヨンスン)監修 · 最終更新 2026-08-25
擦過傷(さっかしょう)とはどういう意味ですか?
掻いたり擦ったりすることで、皮膚の表面が剥がれた跡のことです。皮膚科の診療において擦過傷とは、痒みで掻いた後にできた線状の傷を指します。これは、最初からあった病変と、掻いたことで生じた変化を区別するための手がかりとなります。
似た言葉と何が違うのですか?
疾患本来の病変ではなく、掻いたことによって生じた二次的な変化である可能性があります。
皮膚の診療においてなぜ重要ですか?
夜間の痒みや慢性的な掻痒症、アトピーの実際の負担度を示しています。
自分の症状から、何を確認すればよいですか?
単に「掻かないように」という助言だけで終わらせず、痒みそのものと睡眠障害を合わせて治療する必要があります。
関連疾患と診療案内
この用語が使われている案内を確認する
疾患案内慢性掻痒症慢性瘙痒症(まんせいそうようしょう)とは、痒みが6週間以上続く状態で、最初にできた発疹よりも、掻いたことで生じた線・かさぶた・色の変化だけが見られる場合があります。乾燥・湿疹・疥癬(かいせん)などの皮膚的原因だけでなく、新しい薬、肝臓・腎臓・甲状腺・糖尿病・血液疾患や神経系の問題も原因となるため、まずは全身の分布と既往歴、必要な検査を整理します。原因を取り除いた後も長く残る痒みについては、体熱・乾燥・睡眠・消化・疲労の観点から弁証(べんしょう)を行います。疾患案内アトピー性皮膚炎アトピー性皮膚炎は、一つの血液検査やアレルギー検査だけで確定診断されるものではありません。皮膚科にて、乾燥・痒み・発疹の形状と分布を確認し、発症時期、症状の変動、睡眠への影響、過去の治療反応、および石鹸・洗剤・香料製品・煙などの刺激への曝露について伺う過程が中心となります。ご本人とご家族のアトピー性皮膚炎・喘息・花粉症などの既往歴も併せて確認します。皮膚診察と問診だけで十分な場合が多く、他の発疹原因を除外する必要がある場合に血液検査や皮膚生検を選択します。検査結果一つよりも、症状・分布・経過を総合的に解釈します。疾患案内神経性皮膚炎神経性皮膚炎の代表的な症状は、1〜2箇所に繰り返される強い痒みと、その部位を掻き続けたり擦ったりすることで生じる厚く硬い皮膚です。首の後ろ・頭皮・腕・脚・足首・鼠径部(そけいぶ)に多く見られ、皮膚の線が際立ったり、周囲と色が異なったりすることがあります。痒みの程度は変動しますが、休息時や就寝前にひどくなり、夜中に目が覚めることもあります。繰り返し掻くことで擦り傷や出血性の傷ができ、浸出液・膿・痛み・熱感が生じた場合は、感染が疑われます。診察ガイド夜間に痒みで眠れない時に確認すべきことまず、盛り上がった部分がおおよそ1日以内に消えるか、あるいは皮膚が荒れてひび割れた状態が数日間残るかを確認してください。膨疹(ぼうしん)は引いたものの、睡眠中に何度も目が覚める場合は、膨疹の変化と中途覚醒の回数を合わせて記録してください。また、皮膚の荒れや掻いた傷跡が残る場合は、皮膚炎とかゆみと掻破の悪循環を併せて検討する必要があります。皮膚の変化が少なくても、全身のかゆみに黄疸、体重変化、発熱を伴う場合は、診察を受けてください。
根拠および更新情報
以下の資料の定義と安全基準を参考にしています。
- NCBI Clinical Methods 皮膚病変の観察原則病変の形状・配列・分布を記述する臨床用語を確認しました。